2012年8月19日日曜日

夏休み



「草(so)」というレストランへ行った。千葉県の鴨川に住んでいる友人が、「カレーの美味しいお店が地元にあるから来ない?」と言ってくれたので、夏休みに遊びがてら行って来た。「こんな所にレストランがあるのかしらん」と思うような山奥だった。外観は古風な田舎家で、室内はコロニアル風だった。壁も、高い天井も白く塗られ、テーブルは昔の小学校の木製の机を大きくしたような使い込んだ感じだ。食器は民芸調というか東南アジア風だ。インドの高原の別荘に来たような気持ちになって、四角い窓から外を眺めると、棚田のある典型的な山村風景が、紅茶茶園のあるインドの高原に見えた(写真)。気だるい暑さと、開け放った窓から扉へと吹き抜ける涼風のなか、カレーで少し汗をかき、チャイのシャーベットで身体を冷やした。
 その友人が以前に送ってくれた「草」の自家製ジャムが美味しかったので、ブルーベリージャムと夏みかんジャムを買った。「草」のは家庭の手作りの味で、工場で大量生産している有名ブランドのジャムよりもいい。友人の家に帰り、私のお手製スコーンに「草」のジャムを、買ったばかりのブルーベリージャムと、友人が以前に買った苺ジャムを塗り、「ルピシア」の紅茶を淹れ、アガサ・クリスティの「ハロウィーン・パーティ」のDVDを観た。
 帰京して、帰宅の途中で八百屋へ寄ったら、柿や梨が目についた。駅前では、阿波踊りの長い長い行列が踊りながら商店街を練り歩いていた。「夏も終わりだな」と思った。夜空に太鼓と鉦(かね)の音がよく響いていた。

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