2009年11月28日土曜日

オーブン料理

昨日、今日とベイグド・ライスプディングを作った。アガサ・クリスティの作品にライスプディングだかライススフレだかが出てきて、どんな味がするのだろう?と昔から思っていたのだ。初めて作ったライスプディングは、ココナッツミルクで米を煮るタイプのエスニック菓子で、こちらの方が元祖ライスプディングだと思う。それがヨーロッパ流に牛乳を使ってオーブンで焼くようになったのがベイグド・ライスプディングだろう、と思っている。

今日はオーブンの上下両段を使った料理というのをやってみたかったので、上段で鶏の骨付き腿肉とじゃが芋と玉葱を、下段でライスプディングを焼いたのだが、これが上手くいかなかった。鶏と野菜を焼く適温は200度、ライスプディングは140度で、鶏と野菜に合わせてオープンを200度に設定したら、ライスプディングはあっという間に沸騰して表面がパリパリに焦げてしまった。食材は、こちらの思うように焼いたり煮えたりしてくれないものだ。魚はこちらが目を離したすきに焦げたがる習性を持っている、と北大路魯山人も書いていたけれど。

子どもの頃からの愛読書の一つに、ハリー・クレッシングの『料理人』(早川書房)がある。英国らしき国の田舎町が舞台で、町の有力者に雇われたコックが、料理の腕で主人達を魅了して次第に彼らの生活に入り込み、主人の娘と結婚して家を乗っ取る、というストーリーだ。詰め物をした野鳥を大きな野外オーブンで焼く場面など、料理に関する記述が沢山あり、こんな物を食べてみたい、作れたらいいなぁ、と心の中で涎を垂らしながら読んだものだ。

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