2009年11月29日日曜日

料理と作り手のメンタリティ

今日は、ベイグド・ライスプディングと栗の渋皮煮を作った。今日のライスプディングは、まぁ上手くいった。私の場合、初めて作る料理は3度目でコツが分かり、3度目で食べ飽きるようだ。というわけで、ベイグド・ライスプディングは及第したことにして、別の菓子に移ろう。

栗の渋皮煮は2度目だが、初めてでも上手くいったので、今回は楽勝だ、多めに作って近所にお裾分けしようと思っていたのだが、失敗だった。甘味を煮含ませる段階になってメイプルシロップが足りないことに気づいて蜂蜜を足したのだが、その蜂蜜も残り少なくて、甘味料が少ないまま煮たら、甘味の足りない味になってしまった。
プロの調理師や料理研究家と素人の違い、あるいは素人でも相当に美味しい料理が作れる人とそうでない人との決定的な違いは、神経の細やかさにある。自分の大雑把さをつくづく感じた。

神経の細やかさという点では、日本料理は随一ではないかと思う。そんなに多くの他国の料理を食べたり、調理している現場を見たわけではないので、自分の狭い見聞からそう思っているだけだが。日本、英国、フランス、中国、ベトナムの料理の本を読むと、家庭料理のレベルにおいても日本料理は包丁遣いや盛り付け方をやかましく指導して、見た目にまで気を遣う神経の細かさは抜きん出ている。それは、日本料理がなるべく素材そのものの味を活かそうとするからだ。その最たるものは刺身だが、刺身は切り方や盛り付け方の上手い下手で、旨そうにも不味そうにも見えるものだ。

そういう細やかな神経を要求されるためか、いい板前には気難しい人が多いような気がする。昔、ホテルでウェイトレスのアルバイトをしていた時、主に和食レストランで働いていたのだが、厨房にはちょっとピリピリした雰囲気が漂っていた。ウェイトレスやウェイター間の上下関係も厳しく、給仕の仕方や食器の並べ方などをやかましく指導されたものだ。それが中華レストランへ手伝いに行ったら、厨房の雰囲気は大らか、ウェイトレス・ウェイター間の上下関係も緩やかで、同じホテルとは思えないほどだった。中華料理は日本料理よりはアバウトだから、どういうタイプの料理を作るかで作り手のメンタリティも変わってくるのか?と思ったものだ。

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