2011年8月24日水曜日

シャンソンとパプリカ

今夜はシャンソンを聴きながらピザを焼く予定だった。付け合せはコーンポタージュとレタスのサラダ。軽く作って軽く食べる、つもりだった。会社の帰りがけに八百屋でパプリカが一山100円で売られていたので、サラダの替わりにパプリカのマリネにすることにした。前から作りたかったのだ。それから家の近くの図書館で、エディット・ピアフとダミアのCDと、エディット・ピアフの自伝『わが愛の讃歌』を借りた。

エディット・ピアフのCDを聴きながら夕食の支度をした。ピアフの声量には圧倒された。映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」で、キャバレーのオーディションでピアフの歌を聞いた先輩の歌手たちが「すごい声量」と言うシーンがあったが、確かに凄い。オペラ歌手並みのボリュームだ。正規の音楽教育を受けられる環境に育っていたら、オベラ歌手になっていたかもしれない。それはそれで成功しただろう。だが、声量と技量のある歌手がみんなオペラ歌手になっていたら、それもつまらなかろう。下町っ娘のエディットには、同じ土壌から生まれたシャンソンを歌うのが一番合っていたのだろう。

同時に私はパプリカの量にも圧倒されていた。ふつうは1つ100円かそれ以上するパプリカが9個で100円だったのだからだいぶ痛みかけていて、3個は捨てた。6個のパプリカをオーブンで焼いて薄皮を剥き、マリネ液に漬けたのだが、野菜の薄皮剥きは手先の細やかさを要する作業で、パプリカの量の多さにげんなりした。下働きの板前になった気分だ。おかげで食欲は失せてピザはササッと作り、スープはインスタントのにした。

食後に少し落ち着いた気分でピアフを聴いたが、シャンソンはお酒のグラスを片手に、ほろ酔い加減で聴くのが一番合っているなぁと思った。

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