2010年5月10日月曜日

太宰治の「浦島さん」

太宰治の「浦島さん」
太宰治の「お伽草紙」を読んだ。4つのお伽話、こぶ取りじいさん、浦島太郎、カチカチ山、舌切り雀の太宰バージョンだ。どの作品も、鋭い観察眼から生まれる独特の風刺が効いていて面白いが、「浦島さん」が一番笑えた。浜の旧家の総領息子で、風流人気取りの夢想家の浦島太郎―たぶん、太宰の長兄のカリカチュア―と、リアリストで庶民的で剽軽な毒舌家の海亀のやり取りは、高等漫才だ。この亀は落語の三枚目そのままで、屁理屈を言う浦島太郎に対して、「気取らなけれあ、いい人なんだが」と呟いたり、乙姫に見惚れる浦島太郎の横腹をヒレでちょこちょこくすぐって、「どうです、悪くないでしょう」と囁いたりするのだ。

抹茶のベニエ
このところ、抹茶のお菓子に凝っている。一昨日は銀座三越で抹茶のチーズケーキを買い、昨日は抹茶のベニエを作った。坂田阿希子著「抹茶のお菓子」(家の光協会)のレシピだ。ベニエはフランス版ドーナツだが、鍋を食卓に置き、揚げるそばから粉糖をかけて熱々のを頂いた。味は、甘味が少し足りなかった。今日も何かしらん、抹茶のお菓子を作る予定。

0 件のコメント: