2008年7月16日水曜日

脱線が止まらない

 初めて、丸善の丸の内本店へ行きました。丸の内OAZOの中にある、天井の高いモダンなインテリアの店舗で、品揃えも良く、「さすが丸善本店」でした。内村鑑三の代表的日本人 (岩波文庫)と、ガルシア・マルケスのコレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))(新潮社)を買いました。
 帰りの電車の中で『代表的日本人』を読み始めました。内村鑑三の視点で綴った西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中村藤樹、日蓮上人の伝記です。二宮尊徳の章からスタートしました。有名なわりに何をした方なのかよく知らなかったので。まだ途中ですが、イエス・キリストを彷彿とさせるエピソードもあり、ここに書いてある通りの方だったら、「至誠天に通ず」の生きた見本です。
 二宮尊徳的勤勉さの対極にある――と言っては言い過ぎですが――のが、ガルシア・マルケスの世界です。彼はコロンビアのノーベル賞作家で映画監督、フィデル・カストロの友人でもあります。南米に限らず貧富の格差があり過ぎ、身分制度が固定している社会では、個人の勤勉さで貧困を克服するのは難しいので、怠け者や「金はある所から分捕ろう」式の発想が蔓延するようです。
 十年ほど前はマルケスに熱中して、立教大学ラテンアメリカ研究所の会員になり、ラテンアメリカ文学の講座を受講していました。彼から受けた多大な影響の一つに、折に触れては読み返す、マルクス・アウレーリウスの『自省録』を知ったことが挙げられます。マルケスの短編に引用されていました。
 彼の作品はビジュアル的でストーリーが起伏に富んでいるためか、よく映画化されます。8月には『コレラの時代の愛』が封切られますが、この邦訳は2006年にやっと出版されました。当時は熱が冷めていたので、図書館で借りてほとんど読まずに返してしまいました。今回は映画を観る前にちゃんと読もうと、買いました。
 が、その前に課題が。7月末締切りのアルク翻訳大賞に応募しようと、今朝から訳し始めました。それを終えたら『コレラの時代の愛』を読もうと、目に付く所に置いておきます。馬の鼻先にぶら下げる人参のようなものです。

 帰宅したら、5月に応募した翻訳トライアルの結果が届いていました。小説の一部を訳し、AAからEまでの6段階評価を受けるもので、AAはプロ並み、Aはプロにあと一息というレベルです。今回の課題は米国のミステリで、ゴールデンウィークはこの翻訳に費やされました。当然、AAかAを狙っていましたが、結果はB、「仕事をするレベルにはもう一息」でした。
 アルク翻訳大賞の結果が分かるのは年末か、来年始めです。ちょっと気の長い話ですね。なんて、悠長にブログを書いてる場合じゃないんですが。試験前になるとミステリに熱中した、学生時代の癖がいまだに抜けません。ちなみに昨夜から、数年ぶりにラジオのイタリア語講座の聴講を再開しました。イタリア文化会館などへ通ってイタリア語をかじったこともありますが、英語の学習に専念しようと、イタリア語からは遠ざかっていました。英語がどうやら軌道に乗ってきたので、息抜きに他の外国語に触れたくなったのです。←だから、こんなこと書いている場合じゃないってば!
 ちなみに今回の翻訳大賞の出版翻訳部門の課題も、米国のミステリです・・・・・・ああ、脱線が止まらない。コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))">

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