2008年7月24日木曜日

ウクライナ

 「その国の文化を知る秘訣は酒にある」と、あるルーマニアの外交官が言っていました。ワインの産地で生まれ、子どもの頃からワインを嗜んでいたという方で、赴任先の国々の酒と料理を楽しんでいるとのことでした。この方から、「越後さむらい ナポレオン」という新潟のお酒を教えて頂きました。ちょうど、中越地震があった頃です。いまだに、このお酒は飲んでいませんが。

 私がある国の文化を知る術は何だろうと考え、文学だと思いました。それ以来、他の国の方々とお会いするパーティーの前には、その国の小説を一冊は読むようにしています。明日はウクライナ大使館のパーティーですが、アルク翻訳大賞の課題の翻訳で手一杯だったので、何も読んでいません。ですが、数年前にアンドレイ・クルコフの『ペンギンの憂鬱』(新潮社)を読んでいました。動物園から譲り受けた憂鬱症のペンギンと暮らす売れない作家の話で、ソ連邦崩壊後の何かと物騒な世情を背景に、作家が次第にギャングの抗争に巻き込まれていく話です。以前、ブリティッシュ・カウンシルのレッスンの前に、ロビーでBBCの衛星放送を見ていたら、ロシアの確か銀行家が暗殺された、というニュースが流れていました。隣りで見ていたロシア人のクラスメイトが、「また殺されたの」と言っていましたが、一見平穏な市民生活の裏に死が潜む、そんな時代の雰囲気が伝わってくるお話です。今は、どうなっているのでしょう?

 ゴーゴリーもウクライナの作家です。『外套』などの代表作は読みましたが、あまり好きでありません。話が貧乏臭いんですもん。ビンボーは現実の生活だけで沢山。

 大使館のパーティーでは、その国に関する懸賞クイズがあるので、ざっとおさらいをしました。ウクライナは旧ソ連邦南端の、黒海や東欧諸国に接した農業国です。食文化が豊かでボルシチが有名ですが、私のお目当ては7月4日のブログで書いたクワスと、ウクライナワインです。翻訳大賞の翻訳が一通り終わったので、明日は心置きなく飲むぞ!

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